忍者ブログ
This blog is Written by 神月きのこ,Template by ねんまく,Photo by JOURNEY WITHIN,Powered by 忍者ブログ.
個人創作サイト「Sacrilege」小説投稿サイト「小説家になろう」その他創作全般についての呟き。不定期更新。
カレンダー
04 2017/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
小説家になろうリング
フリーエリア
最新コメント
[11/06 藤夜 要]
[11/06 藤夜 要]
[10/04 神月きのこ]
[09/29 俊衛門]
[09/13 ごん]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
神月きのこ
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
絵にしろ小説にしろゲームにしろ、創作好きのなりチャッター。
下手の横好きなりに色々やってます。
「小説家になろう」での作品はこちら
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
[PR]
[12] [11] [10] [9] [8] [7] [6] [5] [4] [3] [2]
05/25 [PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

12/01 小話

以前サイトでアップしていたお題小説です。

「思考回路はショート寸前の30のお題」から『くしゃみ100回すると死ぬって知ってる?』
突発で書いたようなお遊びネタです。

 

 


「…くしゅんっ」
 ひらり。
「っくし!」
 ふわふわ。
「は…くしゅっ」
 パサッ…。
 間欠的なくしゃみの声と共に、どこからともなく現れては舞う黒い羽。
「精霊も風邪って引くもんなんだね…」
 箱ティッシュを差し出しながら、ウォルトは床に落ちた羽を拾い集める。
「ん…俺も、ひいたの初めて…」
 鼻声で答えつつ、ブビーッ。
 音を立てて鼻をかみ、ウォルトが差し出してきたゴミ箱に残骸を放り込む。
 体調が悪いのなら、鳥の姿に戻っている方がずっと楽なはずなのだが、レンは何故かそれを頑なに嫌がる。
「俺は仕事行かないといけないけど、いい子にして寝てなよ?」
 布団の中の、体ばかりは大きな幼児の頭を撫でてやり、ウォルトは外套を羽織って剣を手にした。
「ガイ爺に後のこと頼んであるし、俺もできるだけ早く帰ってくるから」
 不安そうな顔をするレンに笑いかけると、手を振って出かけていく。
 折りよく、今日の任務は郊外に出没した賊の討伐である。その日のうちに帰れるのは幸運だった。


 ウォルトが帰ってきたのは、夕方早め、それでも想定外に遅く、茜色の空を飛ぶ鴉を見ると家路を急ぐ。
 鴉が、部屋で寝ている精霊を思い出させるのか、カーと言う鳴き声を聞くとより早足に、というより走って来て。
 部屋の扉を開けた時には、少し息が切れていた。
 寝ているかもしれない精霊を起こさないようにと、そっと扉を閉めて部屋の中に入ろうとした時、急に黒い影に飛びつかれる。
「うわあああああんっ!」
「うっわ!? れ、レン…?」
 耳元で聞こえた泣き声に、やっと状況を把握して、飛びついてきた相手の背を撫でる。
「ウォルトぉ、俺、俺死んじゃうー!!」
 わああん、とやはり大声を上げて泣いたままで。
 長い黒髪を軽く引いて、しがみついてきたレンと顔を合わせる。
 やっと見えた顔は、涙でぐしゃぐしゃで、余計に幼い雰囲気になっている。
「ちょっと、落ち着いて…。風邪くらいじゃ、死なないよ?」
 安心させようと、微笑みながら言うが、レンは首を横に振って。
「お、れ…朝、からくしゃみ、止まんなくてっ」
 しゃくりあげて、ウォルトと目を合わせながらも何も見えていないようだった。
「そんな苦しくて死ぬほど辛かった?」

「くしゃみ、100回、したから…っ、死んじゃうんだ、て…!」

 ウォルトの問いなど聞いちゃいない。
 というか、今、変なこと言わなかったか?
 視線をゆっくりと部屋の奥へと向けると、こちらの様子を窺っていたらしいがふっと目を逸らすガイ。
「…爺さん。レンに何、吹き込んだ…?」
 じと、と睨むと多量の黒い羽に埋もれつつガイが溜息をついた。
 あの羽の量、恐らく100回やそこらのくしゃみで出てきたものではないだろう。
 片付けるのが面倒くさくなったガイが、無理矢理にでも、少しでもくしゃみを抑えさせようとしてついた嘘なのだろうが…。
「レン。100回すると死んじゃうのは、くしゃみじゃなくてしゃっくり。ついでに、迷信だから、ホントには死なないよ」
 幼い子供にするように、頭を撫でてやると、真っ赤に泣き腫らした幼い子供のような眼が、きょとんと見上げてくる。
「そ、なの…?」
「そうなの」
「そ、か。よかっ…」
 びええええっ
 結局、今度は安心したせいか、また大声で泣き出して。
 日が沈むまで、ずっと精霊の泣き声が響いていた。

 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メール
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
しまった……
最後の会話を見るまで、そうそう、くしゃみを100回すると死ぬって言うよねーとか、天然にも勘違いしてしまいました……。どうかご内密に。
シーナ URL 2006/12/02(Sat)02:10:01 編集
しゃっくり100回といえば
 私は、つい最近にしゃっくりが止まらないので、出るたびに数えていました。50回を超えたところで、そんな迷信を思い出してはマジで死んだらどうしようかなと不安になりました(いい大人が)それで99回まで来た所で、もう死んだと覚悟して100回目を迎えたのですが……そこからも止まる事を知らないしゃっくりは156回まで! 死ぬ暇も与えてくれないこのしゃっくりには、当時かなり困りました(汗)
山口維音 URL 2006/12/02(Sat)17:19:56 編集
無題
コメントありがとうございます!

>シーナさん
私も気付くまで時間かかりました(笑)
……………………………アレ?位の間隔で。
ちなみに、このお題を作った管理人様の勘違いだったそうですよー。


>山口さん
しゃっくり100回のことが頭にあるせいか、止まらないとつい数えてしまいますよねー。
実際には100回超えても大丈夫ですが、実際苦しいですね、ひゃっくり。
神月きのこ 2006/12/02(Sat)22:39:11 編集
無題
こんにちわ! ブログをお引っ越しさせたんですが、神月さんのブログをリンクに加えても良いですか??
アオキチヒロ 2006/12/10(Sun)00:39:34 編集
すみません(汗)
書き直すはずが、送信してしまいました!!


こんにちわ&お久しぶりです! 
ブログをお引っ越しさせたんですが、神月さんのブログをリンクに加えても良いですか??
リンクフリーだったけなーと、記憶がハッキリしなかったので、直接聞いてみることにしました(わぁ)
あ、あと勝手にですがバトンを回させてもらいました(笑)
受け取ってもらえると嬉しいです。
アオキチヒロ 2006/12/10(Sun)00:43:50 編集
アオキさんへ
ブログのお引越し、早速リンク張り替えさせていただきました!

うちもリンク貼って頂けるのですか? ありがとうございます!
リンクフリーですので、ご自由に貼ったり切ったりなさってくださいな^^

バトンも答えさせていただきますね。
結構溜めてしまっているので少し遅くなるかもしれませんが、嬉しいです。

コメントありがとうございました!
神月きのこ 2006/12/11(Mon)23:17:55 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする: